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ゲスト 三波豊和


 

 福地温泉街に降り立った第一印象はさながら故郷を思わせる懐かしさと優しさ。北アルプスの登山口としても知られるここ“奥飛騨温泉郷”は、秘湯中の秘湯としての人気が高く、近年開通した安房トンネルにより客筋の広がりを見せている。数種の露天風呂と山の幸を生かした料理が自慢の『御宿 飛水』、おもてなしの心を大切に、くつろぎの時間を提供してリピート客も多い。

貸切露天風呂あります!


三波豊和:私が初めておじゃました時は、まだ専務が小学生でしたか。皆さんで頑張っていらっしゃいますねぇ。
端下:いやぁ、ありがとうございます。
三波:この旅館の歴史からうかがいましょう。
端下:お蔭様で今年で30年目を迎えました。初めは6部屋しかない小さな旅館でしたが、平成に入り、部屋数23、定員数105名の大きな宿になりました。しかし以前同様団体のお客様はお断りしているんです。『お客様お一人お一人に喜んでいただきたい』と言う気持ちは、オープン当初より変わっておりません。
三波:温泉イコールお年寄旅行というのは昔の話、ロビーで拝見していても若い方が多いですね。
端下:はい、半分くらいが20代のお客様です。しかも貸し切りの露天風呂がブームになっています。最近ではこの“貸切風呂”が温泉宿の必須条件にもなっています。
三波:貸し切りの露天風呂ですかぁ、羨ましい…。たしかに、カップルや家族連れにはもってこいの空間ですねぇ。
端下:ゆっくりとくつろいでいただいて、お帰りに『また来ます!』と言っていただけることが本当に嬉しくて、それを聞きたいがために仕事をしているようなものです。
三波:舞台の拍手と一緒ですよ。特にここ“福地”は奥飛騨の中でも秘湯のイメージが強く、普段の生活とは違う所という感じですものね。
端下:えぇ、当然のことながら温泉をメインに訪れるお客様が多いので、お風呂には特に力を入れています。最近は『一泊二湯』という企画で、一つの宿の温泉に入っていただいたお客様には、無料でもう一つの宿の温泉にも入っていただこうという趣向が好評なんです。色々な浴衣を着て、下駄をならしながらそれぞれのお風呂が楽しめます。

場所よりも先に旅館が問われる時代

三波:今回、新宿からバスに乗って来たんですが、あまりの近さにびっくりしました。高速バスで4時間半程ですかね。車中、諏訪で1回起きて、次に起きたらもう着いてました…。安房トンネルの効果は絶大でしょう。
端下:上高地にも30分で行けるようになりました。以前は信州からのルートでしたが、トンネル開通以来奥飛騨からの方が近くなりましたからね。お蔭様で関東方面からのお客様が増えまして、特に山梨や群馬あたりからのお客様の増加が目立ちます。ピーク時は、奥飛騨温泉の許容量をはるかに超えるお問い合わせがございます。
三波:嬉しいですねぇ。季節を問わず景色は最高、料理も美味しい、温泉は言う事無し…と正に良い事尽くし。それに何てったって飛騨牛を堪能できますしねぇ。朴葉みそで食べると、一段と美味しいです!
端下:最近の旅館のニーズは以前とは随分変わりました。問題は場所ではなく、まず旅館ありき…で行動されるんです。お問い合わせのお電話で色々話をさせていただいた最後に『ところで、そちらはどこにあるんですか?』という具合です。
三波:へぇ、おもしろい傾向ですね。
端下:どういう旅館で、どんな雰囲気で、どんなお料理で、他にどんなサービスがあるのかというような事が重要で場所はその後なんですね。
三波:その情報をいかに早く、正確に発信できるかがお客様をつかむ鍵になりそうですね。これからは飛水をどのような旅館にとお考えですか?
端下:休日のひと時に実家に帰る、そこで私達がおもてなしをする、そんな感じの所になりたいですね。また、今後はハード面も充実させていくつもりです。お風呂も増やしたいですし、貸切風呂の時間も延ばしたいですし、この先たくさんの計画を持っています。『また飛水に来たい』とおっしゃっていただけるよう日々努力して参ります!