自分の喫茶店を持つ事が夢だった少年が大好きなおばあちゃんの希望を叶え、かねてより得意だった絵と数学を活かすべく進んだのが建築士の道。若くして独立し、設計だけを行うのではなく、プランニングからアフターフォローまで一貫して行う事で、ここまでの信用を築いてきた。
三波豊和:事務所をご自分のお名前ではなく、『ローム設計室』とされたのには理由がおありになるとか。
風岡 洋:昭和60年に30歳の時に独立し、皆様にご協力いただいたお蔭で今では従業員7名の会社になりました。これまでは私が表立って仕事をして来たんですが、今はその状況から脱皮を図っている所なんですよ。従業員一人一人に自覚と責任を持って仕事をしてもらいたいんです。そこで私の名前が付いた事務所よりもこの名前の方が良いと考えました。
三波:“ローム”というのはどんな意味なんですか?
風岡:ドイツ語でRaum(ラウム)という“空間”を意味する言葉があるんです。しかしラウムだと少し言いづらいかなと思いロームとしました。私はこの言葉が英語のRoom(ルーム)の語源になっているのではないかと思っているんですが。
三波:そう考えると建築事務所としてはぴったりですね。しかし風岡さんは引退にはまだ程遠いのに、すでに後進の事をお考えとは驚きました。
風岡:この仕事は設計が出来たらそれで終わりではなく、施工監理や完成後も家族の成長や時の経過とともに必要なリフォームなど、アフターフォローが必要になってきます。非常に長いお付き合いになる事もあるんですよ。私が辞めるとしてもこの会社が終わりになっては困ります。社員7名も全員免許を持って意欲的に仕事しています。私がする事はお客様の目線になって手直しをするだけです。
三波:当たり前ですが最初の設計をしっかりやっているからこそ、長いお付き合いになる程信用を得られているという事ですよね。こちらではどのような事に重点をおいて設計をされているんですか?
風岡:建築事務所に設計を依頼しに来られる方というのは、家造りに大きな夢と希望を持っていらっしゃいます。しかし全て叶えてしまうと費用もふくらみます。例えば高い天井や吹き抜けのある住宅は非常に素適ですが、光熱費等の“建ててからの費用”がかさむものです。
三波:確かにそうですね。
風岡:まずは予算をお聞きして予算内で押さえられるよう、お客様のご希望を整理して行きます。そしてランニングコストとイニシャルコストのバランスで、経費がどれ位かかるかを踏まえた上で、設計・建築を提案していきます。
三波:そこまで考えていただけるのは、本当にありがたい。
風岡:家は単なる作品ではありません。住み良い家・使い勝手の良い家が、本当に良い家だと思っています。
三波:やはり多いのは住宅設計のお仕事ですか?
風岡:ビル・マンション・病院・住宅など様々ですね。介護施設などを多く手掛けている会社とのお仕事の中で、医療コンサルタントの方達と知り合いになってご紹介いただき、個人のお医者様から設計の依頼が来る事もあります。
三波:どんな物件にしても安い買い物ではないですし、そんなにちょくちょく買うものでもないでしょう。やはり信用出来る所にお願いしたいと思いますよね。風岡さんのご人徳、若い時から苦労なさって築いた信頼から『ローム設計室』がますます発展なさる事、願っております!
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