共和教育映画社


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代表者 八頭司 享
   
事業内容 教育映画の製作、配給
創業 昭和32年



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 長年に渡り、教育映画の世界をリードしてきた共和教育映画社。八頭司社長いわく、“何より大切なのは心の教育”。共和教育映画社作品には、見る人の心を豊かにする一貫性がある。国際的にも高い評価を得ている映画の数々はどのようにしてうまれたか? 映画製作への考え方と今後の展開を八頭司社長と長男の八頭司重信プロデューサーに聞く。対談は共和教育映画社の作品への出演も多い俳優の三波豊和。


三波:早速ですが、ご始業の頃のことをおうかがいできますか?
八頭司:始めたのは昭和32年、私が20歳の時です。就職した会社が、たまたま教育映画の配給会社で学校をまわっていたのですが、3ヵ月で独立しました。
三波:教育映画といえば、私も小学生のころ視聴覚教室で見た思い出があります。
八頭司:主に東映の作品を取り扱っていました。独立して初めて扱った映画が『家族音楽会』。作品を見て感動し“こういう映画を作りたい”と思ったのです。“映画界は斜陽だ”という声もささやかれた頃だったのですが、良い作品に恵まれたおかげで実績を残すことができました。映画には“心を打つ何かがある”ということが、やはり一番大切だと思います。
三波:映画を配給するお仕事をなさっていた社長が、製作にもたずさわり始めたのは、どういった経緯からですか?
八頭司:ある作品を、編集し直す機会があったんです。2時間の映画を40分にしたのですが、これが評判が良かったものですから、すっかり面白くなってしまいましてね。今でも編集作業は好きですから、必ず立ち会いますよ。
三波:初めて総合プロデュースされた作品は何になりますか?
八頭司:『ぼくの剣道日記』という作品でした。ところが、これが文部省選定にならなくて…結構ショックでした。“もう映画づくりをやめよう”と弱気になったこともありました。
三波:初めての作品で文部省選定を狙われたのですか?
八頭司:ええ。ずっと学校映画に関わっていましたから、自然とそう考えていましたし、自信もあったんですけどね。その後『はばたけ明日への瞳』という作品で多くの方にご好評いただき、“映画を見る人にいい映画だと認めていただくことこそ最優先”と再認識しました。
三波:その姿勢が『鬼の子とゆきうさぎ』による、1995年シカゴ国際児童映画祭2位という快挙につながったんでしょうね。
八頭司:あの作品の原作は中学生なんですよ。子ども達の素直な心が感動につながるのですね。世界で認めていただいて、今でもアメリカで上映されています。
三波:子どもの目は本当に素直ですよね。八頭司(重信)プロデューサーは、どのような経緯でご入社されたんですか?
八頭司(重信):以前は全く違う世界で仕事をしていましたが、当社で制作した『はばたけ明日への瞳』を見て感動し、映画の世界に入りました。現在は映像制作部のプロデューサーをしてますが、いろいろな方とお会いできて面白いですね。映画の世界はバイタリティあふれた人が多いですから。

一流の技を結集させられた時の喜び

三波:私も映画の仕事は独特の緊張感があって大好きです。社長の映画に対する深い思い入れには、私も勉強になっています。社長が映画製作されるうえでのテーマをおききできますか?<
八頭司:私が目指していることには大きな3つの柱があるんです。教育、人権問題、そして障害者問題です。“心の教育”を子ども達にすることは、今後ますます重要になってくると思います。今の子ども達は、TVゲームで遊ぶことも多いですよね。ところが、ひとりで遊ぶことに慣れてしまうと、なかなか人の心や痛みがわからなくなってしまう。ゲームでは、仮に人が死んでも、リセットボタンで簡単によみがえってしまいますから。
三波:私もゲームの中で“やられた”とか“やっつけられた”とは感じますが、子ども達が平然と『死んだ、死んだ』とゆうのを聞くと、内心ドキッとします。
八頭司:私は、心の教育には映画や芝居が最適だと考えています。隣の人が大声で笑ったり、時には涙を流してスクリーンを見ている…そういう場を多く経験することによって、自分以外の人の心の動きが初めてわかってくると思うのです。人と一緒に泣いたり笑ったりしながら、心が育っていくのです。
三波:他の人の気持ちになれるということですね。
八頭司:そうです。人の心をどう読み取っていくか、これが大切です。現代はこの様にインターネットの様なものがありますから、子ども達も国際的に交流できます。純粋な心は万国共通ですから、それは世界平和にもつながってゆくと思います。
三波:子ども達の心には、戦争なんか無いんですよね。社長のその温かいお気持ちは、映画製作のうえでも強く感じられます。映画の内容は勿論のこと、社長が映画関係者をまとめられる時も、人の心を大切にされていることが伝わってきます。
八頭司:当たり前ですが、映画とは人がつくるものです。コンピューターグラフィック等の技術も話題になっていますが、心がなかったら良い映画はつくれません。素晴らしい監督、素晴らしいスタッフ、そして素晴らしい俳優さんに恵まれて、良い作品を作らせていただいているわけですから。“一流の技を結集してひとつの作品を完成させる”これは私にとって人生最大の喜びです。

ドキュメンタリーの迫力 ドラマの創造力

三波:今後はどのような作品をお考えですか?
八頭司:現在製作中なのは『山村留学の子どもたち』という作品です。山村の暮らしに飛び込んだ子ども達の姿を描いたものです。それと、僕の大きな夢の中に、夜間中学を取り上げたものを作りたいというのがあるんです。表面的なものではなく、ドキュメンタリーに近いドラマで、人間の生きざまを描いてみたいんです。亡ュなられた山下耕作監督と一緒にあたためていたテーマです。三波さんも出てくださいね。
三波:有難うございます。ぜひ参加させて下さい。八頭司プロデューサーは今後、いかがお考えですか?
八頭司(重信):娯楽性の強い映画も作りたいと思っています。そしてその経験をいし、父の歩んできた路線も継承する“心の教育”をテーマにした、より多くの方に愛される映画作りをしていきたいです。

小さい頃に見た教育映画の記憶が、いつまでも残っている人は多いと思います。 それは“心の教育”を目的とした内容と作り手の熱意が作品に込められているからではないでしょうか。文部大臣賞を受賞するなど国内での評価に加え、世界的 な映画祭でも受賞歴のある共和教育映画社の作品。“記憶にも記録にも残る映画” の製作をこれからも大いに期待しています。(三波)