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福岡唯一のペルシャ絨毯専門店。独創的で華麗なデザイン、手作業による卓越した織りの技術、丹念に仕上げられた絨毯です。

 3000年もの歴史を持つとも言われるペルシャ絨毯。職人技は綿々と受け継がれ、現在も変わらぬ製法で数々の緻密で美しい柄が仕立てられている。歳月を重ねる程に価値を増すとも言われるペルシャ絨毯の魅力を、来日30年を数えるという親日家の店長が語ってくれた。


小林綾子(以下、小林)
ペルシャ絨毯というとすべて手作業の工程で作られることが有名ですよね。左右対称のものや細かな柄を見ていると、「これが本当に手作業なの…?」と驚かされます。


イェクドル ホセイン(以下、ホセイン)
まず柄を描いてそれを織り子さんに織ってもらうのですが、1日に2〜3mmしか織れないため、物にもよりますが織るだけで約1〜3年は掛かります。実は織った段階では毛足が長く柄は見えません。仕上げに神業とも言うべき職人技で丁寧に少しずつカットすることで、美しい柄が姿を現すのです。このように完成するまでにも時間が掛かるペルシャ絨毯ですが、100年前後と長くご使用いただけるのも特徴のひとつです。もちろん長年使い続ける為には、クリーニングなどのメンテナンスも必要です。そのようなアフターケアに関しても、当社が責任を持って請け負わせていただいています。


小林
次の世代まで受け継いでいくことを考えたら、そういったサービスはとても心強いですね。それにしても、一人前の織り子になるには大変なのでしょうね。


ホセイン
大変難しい仕事ですから、大体4〜5歳から修業がスタートします。子どもは覚えが早いので、10歳を超えるともうプロの職人です。ペルシャ絨毯自体3000年の歴史がありますが、その技は人から人へと伝わって今に至っています。


小林
そんなにも長い時を経て受け継がれているのは、世界的に見ても他にはないかもしれませんね。こちらの商品を見ていても、1つ1つにドラマがあるのだと感じられ、その歴史の重みを感じます。


ホセイン
ペルシャ絨毯は芸術品との見方もできますが、使えば使うほど落ち着いた淡く良い色合いに変化していきます。特に日本は土足の文化ではないため、長い時間を掛けてより味のあるものへと変化します。50〜60年経つとアンティークとしての価値も上がります。


小林
使う程に美しくなるなんて、ペルシャ絨毯は奥が深いですね。ところで、店長は長年日本に暮らしてきたそうですが、本当に日本語がお上手ですよね。


ホセイン
イランでは私が幼い頃から日本に対して良いイメージがあったので、私もその影響で15歳から空手を習っていました。それに「おしん」がゴールデンタイムに放送されていて、放送時間になると街から車が消えてしまう程の人気でした。戦争を経験し傷ついた心に、国民も私たち家族もあのドラマに大きな力をもらったんですよ。そして「日本に行きたい」という長年の夢を叶え、ついに私は日本へやって来たのです。


小林
日本のドラマが海外でも支持され、誰かの力になったなんて本当に嬉しい限りです。でも世界的に支持されているという意味では、ペルシャ絨毯の方がもっとすごいと思います。


ホセイン
ありがとうございます。ペルシャ絨毯最大の魅力は、その工程とそこから生み出される柄の美しさです。戦争の経験やそういった歴史の全てがペルシャ絨毯に影響を与えていますから、ペルシャ絨毯こそが歴史の代弁者なのかもしれません。多くの文化が融合しているからこそ、世界中で愛され「味があって飽きがこない」と支持されているのだと思います。